「大護軍!!」
門前に着けたチュホンの鞍上。
門衛に立っていた国境隊の副隊長が、度肝を抜かれたように目を丸くする。
「どうされましたか!開京で何かあったのですか」
「話は後だ」
言いながらチュホンから飛び降り、続いてこの方を降ろす。
「隊長は」
「は、はい!どうぞ中へ」
慌てて二頭の馬の手綱を受けた別の門衛が、馬たちを奥へ牽いていく。
俺はこの方を促し、副隊長に導かれ兵舎の門を超える。
兵舎の庭内でも擦れ違う奴らが、皆一様に驚きを隠せぬ顔で駆け寄り頭を下げる。
「大護軍!」
「どうされたのですか」
「突然いらして下さるなんて」
「お久し振りです、大護軍」
「お元気でしたか」
全て一度は共に戦場で戦った面々だ。
この方の帰りを待つ間の北の郷地奪還で。
元に獲られた地を取り戻す四年、国境隊には散々世話になった。
戻って来たこの方を連れて来た最初の場所も此処だった。
笠を被らせ、顔を隠させた。
周囲にまで力を借り、奇皇后の追手から十重二十重に護った。
そんな事すら懐かしい。
そしてもう一度そんな事が起きれば、迷わず同じ事をする。
掛かる声にそんな物思いに耽る横、この方は顔を上げ、俺を見て目許を三日月に緩めた。
その笑みを久々に見た気がして、眸で問い掛ける。
この方はそのまま兵達を眺め、小さく独り言のように呟いた。
「みんなあなたを待ってる。あなたがいれば大丈夫って知ってる」
「・・・俺は」
俺はあなたがいれば大丈夫だ。
あなたさえいれば、全てがうまく行く。
こいつらの前でなければ伝えられるだろう。
交わり損ねた道を、掛け違えた掛金を、もう一度交え、掛ける為に。
言葉にせねば伝わらん事がある。例えどれ程苦手でも。
隠さず伝えねばならん事がある。例え隠す方が楽でも。
なのに肝心な時には、こうして必ず周囲に耳目がある。
太く息を吐き、かかる声に頷きながら、副隊長と共に兵舎を進む。
判っている。あなたがどうにかしようとしている事は。
こうして声を掛ける、あなたは見も知らぬ奴ら一人一人の為にも。
俺に万一にも何か起きぬよう、守ろうとしてくれている事は。
俺が一蹴する事も知っていて、黙って一人走ろうとしている事も。
だから腹が立つのだ。
俺の事を考えているようで、見当違いな処に向け駆けている事が。
ご自分の思い込みだけで突走り、俺の胸裡を尋ねて下さらん事が。
「大護軍!!」
兵舎の建物奥からの叫び声と共に、大きな体が駆け出して来る。
逆光の影に手を上げると国境隊長は息を切らし、俺とこの方の前で足を止め、深々と頭を下げる。
「お久し振りです!!」
「無事か」
「は!大護軍も」
「ああ」
ようやく安堵したように笑んだ後、奴は心配そうに俺を見た。
「何かありましたか」
「文が届いた」
「文、ですか」
「ああ」
国境隊長は頷くと大きな手で兵舎を示す。
俺の脇、この方の逆に従き、それ以上は訊かずに真直ぐ兵舎内へ踏み入る。
迷う事なく兵舎の廊下を進み、幾度か案内された軍議用の部屋の扉を開けた隊長は
「お前らも離れろ。呼ぶまで誰も寄るな」
扉脇を守る兵へそう残し、最後に後ろ手で確りと扉を閉めた。

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言わなきゃ伝わらない事、ありますね。
それはウンスにも言える事だけど…
ヨンの為に検討違いに突っ走ってもやっぱりウンスはウンスなんですよね。
ヨンに尋ねたところで返る返事はわかっているはず。
ウンスがいれば大丈夫って何度伝えても歴史の顛末をしっているからこそ、出来る事なら変えたい
そう思ってしまうんですよね~
ウンスにとっても高麗にとっても必要な人だから。
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あなたががいれば だいじょうぶ
ちょっと 照れちゃうけど
いつか言ってあげてよ 人前でも
(๑´ლ`๑)フフ♡
でも ちゃんと わかってるわー
始まりの場所になるわね
期待と不安でドキドキ。
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ヨンを信じて待ってる人達を見たら、
ウンスのヨンを守らなきゃ!っていう思いは益々つのりますよね。
交わらない二人の思い・・・
ヨンもウンスも早く自分の気持ちを
話さなきゃ~~(*_*)
天門を潜る迄には心が通じ合うのかなぁ~?
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やっと二人きりに なれたわね
兵も誰もいないから ヨンの気持ちを
今度は言葉にして伝えてね
天穴はもうすぐ
2人で天界に行く前に 最初の場所で
心通い合わせてから 出発を
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相手が大切で想い合う気持ち♡本当に胸きゅんです(//∇//)言葉にしないと、相手に伝わらない想い♡って、やっぱりありますよね(>.<)
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兵たちの前でなければ、
伝えられるだろう…ですって?
ヨンったら…( *´艸`)
さらんさんが心の声を
聴かせて下さっているから
いかにヨンが情熱的で
焼きもちやきかがわかるけど
いつも「ああ」とか「おう」とか
「はい」としか
言わないじゃないのお~(=゚ω゚)ノ
ぷぷぷ…♥
さらんさん♥
寡黙なヨンのかっこよさと
キュンとなる心の声の
素晴らしいギャップに
身悶える私。
どうか、死なぬ程度に
鍛えてやってください('ω')ノ
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>majuさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
ウンスオンニがいれば大丈夫なヨン(=いないと駄目)
ヨンがいれば大丈夫なウンスオンニ。(=同じく)
口に出さないのに、お互い心底分かっちゃってるとこが
ああ、もぉぉぉ!な本編のじれったさの根底だったと思うのですが、
私はあのじれったさを愛しているので、こんな二人になってしまいますw
そんな所もお許しの上、ヨンで頂けたら嬉しいです♪
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>くるくるしなもんさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
始まりの場所を逆再生中の二人。
何度でも新しい気持ちになれる、だけどそのベースには今迄の
歴史とか、降り積もってる気持ちがあるって素敵だなあと。
ああ、自分もそんなカップルになりたい!との願いも込めて・・・
この後の珍道中もヨンで頂ければ嬉しいです
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>hinamiさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
気持ちが通じ合わなかったら、多分望む世界には戻れないんだと思います。
私にとっては天門=試練とか挑戦とか、どれくらい真剣に
物事に向き合ってるか、それは時空を超えて叶える価値のあるものか、
そんな尺度で決まってる気がして。行く場所も、会う人も、起きる事柄も。
と、突然真面目になってみましたが、天界でーと自体はコメディ感満載です(爆
この後もヨンで頂けたら嬉しいです♪
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>yon0716さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
何の事は無い、最終的な意思疎通はお互い目を見て手を繋ぐだけでしたがw
それでも官軍の兵の前で、オンニの手を振り払わない此度のヨンに
決意を籠めさせてみました(え、そこだ)
この後もヨンで頂けたら嬉しいです
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>19383411さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
私の死ぬほど愛するびっべんの「KOE WO KIKASETE(声を聞かせて)」という
名曲があるのですが(ステマ投下)
でも、私自身は実は声に出すのが苦手だったりします。
いけないと思いつつ「察してヨーン」と思ってしまうタイプです(;'∀')
胸キュンでヨンで頂けたら嬉しいです♪
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>muuさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
映像ではあのヨンの視線や息や動きのほんの小さなところで
その心情を汲み取り、読み取って来た乙女の皆さま。
けれどお話、増して二次になるとそのベースとなるべきものが
全く無いので、こうして心を書くしかないのですが・・・
それが始まると長くなるのですね(;'∀')
おまけに多弁なヨン、心の中は思いでいっぱい。
けれど省くと意味が伝わらず、結果喋り言葉が少ないのに
長いお話になる・・・と。
ヨンでいるmuuさまや皆さまがお疲れでない事を祈ります(本気で(;´・ω・)まだでーとすら始まっていないのに焦っています)