「確かに真ではあるが、しかし」
「王様!」
途中で無礼にも大声で割り込んだ声に、王様は僅かに顎を引きこの方へと御目を当てる。
「・・・はい、医仙」
「行かせてください」
「行かせてください、とは」
「どうしても、みら・・・天界から取ってきたいものが。無理でも、調べたい事があるんです。だから天界に。お願いです」
この方の真剣な声と目にどう答えて良いか惑われるよう、王様が王妃媽媽へ御目を移す。
王妃媽媽も初めてお聞きになったのだろう、戸惑った御顔で王様へ首を小さく振られる。
その御二人の横、叔母上が伏せた顔から目だけで俺に問う。
医仙は一体何を考えている。
俺は微かに顎を振り、同じくこの眸で答を返す。
見当もつかん。
それは本当だ。この方の考え、おっしゃる事は此方の想像を軽く飛び超え、肚を読むなど叶わん。
婚約を交わそうと妻に娶ろうと、それは何一つ変わらん。
眸だけで会話を交わす俺たちの横。
そんな腹芸は御免とでも言いたげに、この方がはっきりと言い募る。
「サプ・・・ええと、天界の薬湯みたいな。体に良い、そんな丸薬を。
持って来られないなら、今高麗にある食べ物の何に含まれているか、それだけでも調べたくて」
興奮し腰を浮かせて言い募るこの方が礼を失して立たぬよう、細い肩をそっと抑える。
この方は煩げにこの手を振り払い、そのまま立ちあがろうとする。
揉みあう度、腰を下ろした椅子の脚が大きな音を立てる。
その遣り取りに困ったように、王様が曖昧に御声を継ぐ。
「体に良い、天界の丸薬ですか」
「はい。持って来られるかは分からないですが」
「・・・何処かお悪いのですか、医仙」
王妃媽媽が不安げに、卓の向こうから御尋ねになる。
「ああ、私じゃないんです。そうじゃなくて・・・」
「では」
王妃媽媽が不安げな御顔で此方を見、叔母上と、そして王様が続いて俺を見遣る。
その視線に慌てたこの方が、小さな両手を顔前で烈しく振る。
「いえ、この人でもなくて。そうじゃなくて、王様と媽媽に」
「・・・寡人らに」
王様が驚かれたように、この方へと御目を戻す。
「はい、王様」
この方は大きく頷きながら肩の俺の手を完全に振り払い、卓へ半ば身を乗り出した。
「寡人も王妃も、体調に問題はないと思うておったが」
「もちろんです!王様も媽媽もお病気でない事、ご健康な事は私たちがよく知ってます。
ただ、天界の薬でもっと効率よく積極治療が出来ないかなって。
それが少しでも何か、ご懐妊の助けにならないかなって」
その声に、王様と王妃媽媽がこの方を見詰める。
「そうすれば何度も側妃のお話が出たり、それを聞いてお2人の御心が痛んだり、そんな事が少なくなるかなって。
顕微鏡の人工授精レベルはさすがに無理ですが、せめて何か」
「医仙」
思わず挟んだ声にこの方が卓へ前のめりのまま、顔だけを此方へ振り向ける。
「なぁにヨンア、さっきから?」
「あなたが行くのですか」
「そりゃそうでしょう、他に誰が行くのよ?あの世界で他の誰がハングル読めるの?PC触れるの?」
「くぐった先が天界という保証はない」
「まあそりゃ、そうだけど。戻れるかもしれないでしょ?まずはやってみなきゃ分かんないわよ!」
「判らぬ事に賭けるのですか」
「何よ、じゃあ行けるかもしれないのに、王様と媽媽が変われるかもしれないのに、このまま黙ってまた閉じるのを待つわけ?」
「変えてはならぬのでは」
「そんな屁理屈今さら関係ないわよ!今の私は、何だってする。どこだって行く。この先、未来を変えられるならね!!」
最後には叫ぶように言い、この方が大きな音で椅子から立ちあがる。
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ウンス、本当に行くの?
ヨンと一緒に、行くの?
戻るところは、ソウルとは限らない。
もし、願い通りソウルに行けたとしても、高麗の、今の高麗の、王様と王妃様の元に戻れるのか。
王妃様のご懐妊を願い、薬を持ってきてあげたいと思っているのね。
ウンスの思い、叶えてあげたい。王妃様には、私も、ご懐妊なさって欲しいから。
でも、心配。ソウルへ行けるの。行ったら戻れるの。嘉禎って、日本の年号で1235~1237らしい。
さらんさん、そんな時代には行きませんよね。
画像のような、爽やかヨン・・が、素敵なことを体験してくれるならいいけれど。前回の夢のように、モテモテで(笑)
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アメーバのメンテナンス!(*_*)
やっとコメントできました。
ウンスもヨンと同じように、何よりも自分のことより、大切な人達の幸せを最優先に思う女性ですから‥
似た者夫婦ですね❤
でも~ヨンよりも、ウンスの方が、正面突破と言う言葉が似合いそうです(笑)
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天界に着けるとも
高麗に戻って来れるとも
保証はないのに 行くのね
ウンスの中では もう行かねば…
になって気がして
護るべき者達のために
リスクがあろうと労は惜しまない
それがウンスなんだけど ヨンには 頭の痛い話ね
言い出したら引かない性格だし…
さぁ~どうするヨン
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今回のウンスさんのワガママはちょっと浅はかでは?って思います。
前回同様、戻るのに何年も要したら?戻れなかったら?って考えないのかなぁ?
ヨンと離れ離れになってもいいのかな?って、少し悲しくなりました。
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長いメンテで 調子がくるうわ~
で、ウンスさん 薬の調達に?
ヨンは ウンスが心配で…
ウンスは こんなチャンス無いんだから~!
王様、王妃様の御前でも 関係ない!
相変わらずの 仲良しすぎる夫婦喧嘩
夫婦漫才? どっちかしら ( ´艸`)
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だってウンスちゃん、真っ直ぐ帰って来られないかもしれないじゃない。
また4年とかさぁー
チェヨン君、また辛い思いで待つのイヤよねー!
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さらんさん、こんばんは♪
メンテに阻まれコメできず…
王様と媽媽の事を大切に思うウンスだからねぇ。
できる事ならしてあげたいっていう気持ちはわかるけどウンス軽く考えてるかな?
勿論ヨンは付いて行くだろうから2人が離れ離れになる事はないだろうけど…
ソウルに無事に行けるのかな?
天界デートでTシャツヨンが見られるかしら( ´艸`)
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難しい漢字なので・禎・調べたら、すぐ前が・碇・でした
ウンスさんの希望→サプリメント探し→碇(?)
間違いました
漢和辞典閉じた、清く正しい私です。。。
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>1954624さん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
これを先にお伝えするのもどうかとは思いますが・・・行きません。
そしてタイトルと、日本の年号は全く無関係です(*´∀`*)
お題から外れる事は無いので(外れたらリクの意味も無いですし)
気楽にヨンで頂ければ嬉しいです
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>hinamiさん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
ヨンの正面突破には意味がありますが、ウンスのは無謀さですね。
本編【信義】の時からそうでしたが。
生きて来た道が全く違うので仕方ないとはいえ、完全ヨン脳ヨン目線の自分からは
さすがにウンスオンニに呆れる事もしばしばです・・・(;´д`)
呆れつつ、ヨンで頂ければ嬉しいです
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>yon0716さん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
ウンスは嘘はつかないので、行くと言えば行く人ですね。
それがどれ程周りに迷惑をかけようと、と、この後ヨンも呆れますが。
そんな傍若無人なウンスさん、この後もヨンで頂ければ嬉しいです
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>ツマ吉さん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
もうこの辺りは既にお話の中でウンスが叫んでばらしていますが、
考えていない気がしますね・・・うーん。本当に困った人です。
そんな困った処も含め、この後もヨンで頂けたら嬉しいです
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>くるくるしなもんさん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
思い出した!そうです。この日はメンテナンスがあったですね。
私は偶然前夜にUP予約をしていて、運よく7:44:44に
お話がUPされたのでした。
夫婦漫才・・・夫婦善哉?( *´艸`)
この後もそんな夫婦話、ヨンで頂ければ嬉しいです
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>ポチッとなさん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
まあウンスの決意次第で、ヨンは最悪の場合迂達赤を辞しても、
無理にでもついて行ったでしょうが・・・
そうなる前にお話が動き出しましたがw
この後もヨンで頂ければ嬉しいです
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>majuさん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
軽く、と言うより無謀と言うか、過信というか・・・
この後ウンスオンニの真意も見えてくるとは思いますが。
伝わると言いなあ。ヨンで頂ければ嬉しいです
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>kinsi-ginsiさん
こんばんは、コメントありがとうございます❤
おお、そんな並びだったのですねww
まあ今回は天界デートをしつつ、この後もいろいろありそうですが・・・
楽しくヨンで頂ければ嬉しいです