馬二頭を川岸の木へ繋ぎ、手を引いて河原の石へ腰を下ろさせる。
「沓を脱いで下さい」
横に腰掛け呟くと、大きな瞳が俺を見上げる。
「え?」
「暫し、足を浸して下さい」
指で足許を過ぎる流れを示す。
この方は黙ったままで沓を、そしてポソンを脱いで素足になった。
「歩いたわけじゃないのに」
「馬上では体の重みは脚に来ます。感じなくとも」
この声に渋々といった様子で、この方が流れへ爪先を浸す。
「やっぱり北は、水が冷たいわ」
「ええ」
爪先を流れへ浸した、小さな足の甲が浮腫んでいる。
「辛くないですか」
この方は黙ったままで、ただ首を振る。
「俺に話したい事は」
「・・・よく分かんないの」
櫻色の爪先が流れを跳ねる。
小さな飛沫が、春の陽射しに光って落ちる。
「王様と媽媽の先を変えたいと」
「うん」
「変えるなど、許されるのですか」
「・・・分かんない」
「以前おっしゃった。変えぬようにせねばと。
この世に干渉してはならんと。違うのですか」
繰り返す問いに、ようやくその瞳が真直ぐに俺を見る。
「許されるか許されないかは分からない。でも何かやらずにはいられないの。可能性があるなら試したいの」
「・・・イムジャ」
「試したいの。変えられるかもしれない。媽媽の未来が変われば」
横の俺を見つめていた瞳が逸れる。
この方は唇を噛み、再び黙る。
それ以上は話して頂けそうも無い。
いつものよくしゃべるこの方が懐かしい。
どれ程生意気でも、下らぬ話でも良い。明るい声を聞きたい。
それきり口を閉ざし、俺を見て下さらなくなった横顔。
その瞳は爪先で跳ねる飛沫を、ただ見つめ続けている。
「本当に王妃媽媽の先を変える、変えたい、それだけですか」
「・・・だって変えられるかもしれないもの」
話にならん。本音も言わん。
変えられる、変えられるとまじないのようにだけ繰り返し。
一言で良い。俺の為に変えたいと。だからどうすれば良いか話そうと。
言ってしまえば俺の負担になる、そう思っているのが判る。
判るからこそ、此方から切り出す事が出来ん。
俺の為か、そう聞けばこの方は言うだろう。
違うと。あなたが気にする事は無いと。
「イムジャ」
「後悔するのは嫌なの。媽媽の事も王様の事も、それに」
「それに」
そこでもう一度唇を結び、この方は貝のように口を閉じる。
どれ程に待っても、その先の明るい声が続く事は無かった。
今のこの方に比べれば、春の雪解け水の注ぎこむ足許の流れの方が余程饒舌だ。
少なくとも途切れる事無く、囁くような水音が聞こえる。

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それに…
何、何です?
ヨンと一緒に ジレジレしちゃう。
確かに 変えちゃいけないと言いながら
変えようとしてる 言ってる事とやってる事がね
矛盾しちゃってるから~
それでも 行きたい理由は?
ヨンだって 口やかましくしたくないでしょうに…
(ノω・、)
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ウンス、けなげ・・。
心では、ヨンのことを一番に思いやっているのね。当然かな。王様、王妃様の未来が良い方向へ進めば、ヨンもそれに伴ない、今より、気持ちが楽になるだろうな、とか、ヨンのあの現代の歴史が変えられるかなとか。
私の願いも一つ。皆がずっと幸せに暮らして欲しい。「幸せ」の基準がいろいろあるから、どうなれば幸せかは考え方だけれど・・。
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待ってました。でもゆっくりでいいんですよ。
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言いたくても、言えない!
言えば返ってくる言葉が
分かってるから?
隠し事はしないで、何でも話し合うって約束したんだから、ウンスも言わなきゃ駄目ですよね(-.-)
こんなにヨンを困らせても、ウンスの身体の心配をしてるヨン!
やっぱり優しくて男前です❤
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さらんさん、こんばんは。
やっぱりヨンの未来を変えたいんだよね…
未来を知りたくないヨンに本当の事を言う事も憚れるし、ウンスが躊躇するのも分かります。
ヨンも自分のためって分かってはいる
媽媽が出産で命を落とさなければ王様が政治を顧みなくなる元は断てるかも知れない
ヨンの事を愛しているから未来が変えられる可能性がらあるならウンスとしてはできる事はやってみたいですよね。
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寝ても覚めても ヨンを護りたい一途なウンス
肚の底にある本心を吐いてしまえば
互いに楽になって 話も前に進むのに
ウンスの心が分かるから 余計に歯がゆい?
天穴に入る前に 気持ち通じ合わせてね
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さらんさん、こんばんは♪
ウンスの気持ちもヨンの気持ちも尊いものだな、と改めて感じます。
大切な人達だからこそ、幸せになってほしい。
皆が幸せにって難しいかもしれないけど、目の前に『変えれる』かもしれない可能性があるなら掴みたい。ウンスは未来を知ってるからこそ気持ちが強いし、、、
ヨンも、ウンスが大切すぎるからこそ、怒るし、、、
お互いへの【想い】が強過ぎるが故のすれ違い(?)もあるんだなって、、、
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凄すぎて(;゜0゜)
さらんさん、大丈夫ですか?
凄まじい勢いで、作品綴られているので、なんと言葉にしたら良いのか解りません。(;>_<;)
溢れる思いと、溜まっていた感情の波に乗られて居られるとは思います(*^_ ’)が、すこーし力をめ抜いてもいいと…(^^思うのです。(⌒‐⌒)
大丈夫!皆様、ゆっくりまってらっしゃいますから、『慌てない、慌てない、一休み。(⌒‐⌒)』一休
なーんてね( -_・)?(笑)
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さらんさん♥
いつもは天真爛漫、明るくて
元気なウンスですが
こういう時は実にシリアス!!
思慮深くて、慎重で…。
そうか、彼女はこういう一面も
持っていたんだなと
さらんさんのお話の中で
気付かせて頂くのですよね♥
それにしても、此度のお話に
貼り付けて頂いているヨン…
じゃなくてミノ…
いや、やっぱりヨン!
ため息が出るほど素敵ですね。
ウンス、こんなイイ男を
現代のソウルに連れてきちゃって
大丈夫かね??
KangNamのお姉様、お嬢様たちから
狙われちゃいますぜ!
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>くるくるしなもんさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
長編ではないのに、毎回天界話は長編にならざるを得ない
この「デート」が始まる前の展開。
いきなり天界で始まれば良いのですが、それが出来ない自分。
と、いろんなジレンマの中で進んでいますが。
ようやく天界に降り立ちましたが、この後もヨンで頂けたら嬉しいです
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>1954624さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
幸せ、そうですよね。尺度や角度によって受け取り方が変わるから
「コレ!」って絶対値のないものは・・・
そこまで難しく考えないおバカな書き手ですが、この後も
ヨンで頂けたら嬉しいです♪
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>美穂さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
只今戻りました❤またヨンで頂ければ嬉しいです
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>hinamiさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
うちの意地っ張りなウンスオンニは、言えなさそうですねw
何というか、余計なとこは口が回るのに肝心なとこは言えない・・・
そこをうまく引っ張り出していたのが生前のチャン先生だと。
そして侍医亡き後、ヨンも頑張ってくれそうです(いや、頑張れ!)
そんな感じでヨンで頂ければ嬉しいです♪
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>majuさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
未来を変えたくなければ、そもそもウンスは100年前に行って
戻って来ないんじゃないかなーと思っていて(@さらん解釈)
戻った時点で、覚悟は決まっていたのでは・・・と。
実際変わるかどうかは別として、この後もヨンで頂ければ嬉しいです
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>yon0716さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
本当に、私だったらさすがにここまで自分をなげうったり
意地張ったりしないし、
こんな頭の固い相手と恋に落ちたりしないわwと。
でもそれが我が家のイムジャカポー、仕方ないとお目こぼしいただきつつ
ヨンで頂けたら嬉しいです
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>蒼月さん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
相手への譲歩とか、言い分を聞き入れるとか、すごく大人か、
若しくは気持ちにゆとりがあれば可能だと思うのですが・・・
思い詰めている時は、お互いしてあげたくても無理なのかもと。
そんな二人ですが、これからもヨンで頂ければ嬉しいです♪
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>kanataさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
実は、一篇ずつのお話が以前より少し短くなっていますw
そのあたりで脱力・調整しつつ・・・
この後が長いのですがwヨンで頂けたら嬉しいです♪
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>muuさん
おはようございます、コメントありがとうございます❤
そうなのです。私の中でウンスオンニは、おふざけとシリアスのふり幅が大きいw
現代人のテレとか気恥ずかしさ、または手抜きだと思っています。
ヨンみたいにテンション120%だと疲れるのかなあ、とかw
まあ天界に行けば、逆にヨンが笑わせてくれますが・・・
そんな所もヨンで頂けたら嬉しいです♪