宿を発った後、2人で門から開京への道を、馬に乗り逆に辿っていく。
私がいた頃より元の領土は広いみたいで、馬でどこまで行っても、高麗側の領土にはまだ入っていないようだった。
開京に近くなれば見知った景色を見られるかもと期待していた分、少し悲しくなる。
駄目、落ち込んでる暇はない。
「まずはこの辺りで仮屋を探す」
開京に近付いたと思われるところで、ソンジンは私にそう言った。
「ちょうど開京から門の中程だ。どちらに行くにも動きやすい。良いか」
私は頷く。土地勘もなければ方角も分からない。
ソンジンの言う事を信じるしかない。
運よく見つけた空家を掃除するところから、数日がかりの大仕事になりそうだった。
茅葺屋根の小さな庵。裏には細い川が流れてる。
周りには集落も、人の住んでいる気配もない。
開けた小さな庭に、太陽がいっぱいに差し込む。
明るくて気持ちがいい。
掃除機、洗濯機、モップ、食洗器。
掃除は得意じゃなかったけど、あの世界では便利なものに助けられていたと実感する。
小枝を集めて作った箒で部屋の中を掃きながら、しみじみ溜息を吐くと
「どうした」
壁を修理していたソンジンが、離れた処から振り返ってそう聞く。
「え？」
「溜息など」
その不安そうな声に、私は笑う。
「何よ、私だって物思うくらいするわよ」
「休むか」
「休んでる暇ないでしょ、これじゃ寝れない」
･･･そうだ。寝られない。
「ね、ねえ、ソンジン？」
ソンジンが狼狽した私の声に気付いて、慌てた様子で私に駆け寄る。
「どうした」
「あのね、つかぬ事を聞くけど」
1つしかない、その庵の部屋をぐるりと見まわしてから、ソンジンの目を見る。
「この庵で、2人で、過ごすのよね？」
「･･･そうだな」
ソンジンは不思議そうに私を見て頷く。
「少なくとも、岩場が見つかるまではそうなるのよね？」
「ああ」
「1部屋しかないけど･･･」
私の目を覗き込んでいたソンジンが、その言葉に戸惑ったように目を逸らす。
「そうだな」
「ぜっっったい、駄目。無理。本当に」
「ウンス」
溜息交じりに、ソンジンの目がすうっと細くなる。
「そなたの嫌がる事はしない。誓う」
そう言った口元は優しく笑っているのに、その目が悲しげで、私は驚いた。
どうしたの、何処か痛い？大丈夫？
そう聞いて、頬に触れて、脈を取って確認したくなった自分自身に気が付いて、次の瞬間、心臓が絞られるように痛くなる。
あの人じゃない。
目の前にいるのは私のあの人じゃないのに。
どうして。
医者だから？目の前の患者が心配だから？
そうじゃない。そんなんじゃなく、この人が。
この人の事が、心配だから。
今の私は、真っ赤な顔をしているだろうか。
それとも、真っ青な顔だろうか。
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良く似すぎてますよね。やっぱり。
ウンスはぐらぐら、読んでるとはらはら。
この後どうなるのでしょうか・・・(*´Д｀)=з
ちょっと心配。
また覗きに参ります♪(≧▽≦)
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どうしたの？ウンス・・・
何がウンスをそう思わせるの？
ヨンに似ている所があるから？
ヨンと同じ哀しげな目だから？
ヨンと重なるところが多いのね。
でも、ヨンじゃないって分かっているのに・・・
今夜は、歌詞もすっ飛んじゃった(Ｔ▽Ｔ;)
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今ではたったひとりの頼ることができる人。優しいし嫌がることはしない、守ってくれている。犬や猫やそれ以外でも一緒にいれば情は湧きます。
ヨンへの気持ちを裏切ることはないけれども嫌ではないという気持ちは仕方がないと思います。
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＞ののさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
分かります。
そしてウンスが、揺れた自分を自覚した事、
これが、大きな転機です。
ああ、伝わればいいのですが。
ウンスオンニに犠牲を強いた、私の責です。
でも、信じて下さい。絶対に、大丈夫です。
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予想以上の展開に、さらんさんSやわあと、呟いてしまいました。遠距離恋愛してたら、そうなのよね。本当に悲しいけど、近くにいる人に、勘違いしてしまうこともあるのよね。しかも、二人で一部屋。意識するなというのが無理な状況。やっぱり，Sですねさらんさん。
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＞mayuさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
そうなのです、mayuさま。
「何が、ウンスをそう思わせるの」
これを、この疑問を抱いて下さる
その為に、ここが必要だったのです。
またmayuさまや皆様を、暫く悲しみに
突き落としてしまうかもですが
本当に、お許し頂ければ
そして信じて頂いて、絶対に、大丈夫です。
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＞あみいさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
絶対に、絶対に裏切る事はありません。
ヨンを裏切るくらいなら、書きません。
ただ、あみいさまや皆様に疑問を持って頂くために
ここは、外せませんでした。
あああ、また皆様を悲しくさせてしまうかと思うと
胸がキリキリしますが。
もうしばらく、これが分かるまで。
分かって頂けるように、書けていることのみ祈り･･･
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こんばんは！
連日の更新お疲れさまです。
ウンスはやっと自分の気持ちに気付いたのですね
これからどうやって心の中で葛藤していくのか…
ソンジンもウンスを帰してあげなければならないけど、本当は帰したくないのだろうし…
この先切なくなりそうな感じですね～
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と、信じてるんだけど、気持ちとは裏腹に私が真っ青に(￣ロ￣lll)
ど、動揺が隠せません(／。＼)
あー、だからだったのね…と、早く頷きたくもあり、ドキドキと推理を楽しみたくもあり…
本当に目が離せません。
わー、今夜眠れるかしら…
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＞チェヨン1さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
大丈夫です。
大丈夫ですよ、究極のSは、究極のMに通ずです。
ここは、ウンスが心の揺れに、どうしても気づいてくれぬと
お話が成立しなかったのです･･･
ああ、ここから、通じれば。
こんなに胃が痛くなるほど、祈るのは久々です。
うぃんぱち君を叩く自分の指と、チェ・ヨンさま
そして皆様の妄想力を、信じて。
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＞わいやーさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
ここはもう一気に流れに乗って、
読んで頂きたいところなのですが･･･
一話づつが相当長い上に、一日二編。
わいやーさま始め、読み手の皆様に、ご迷惑を
おかけしているな、と反省しつつも。
三連休の隙間など、余った時間に
ちらりと読んで頂ける事を祈りつつ･･･
切なく、続きます。
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＞さらんさんへ
あ・・・ぁ・は・はは・・・o(_ _*)o
3連休も、さり気なく切なく続くのですね？(x_x；)
また、向日葵行ってきます。
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さらん様、こんばんは❤︎
ウンスの、ほんのわずかな声の変化や表情だけで、慌てて駆け寄るほど、愛しいのですね。
ウンスが戸惑うのも無理も無い。
ヨンにする様に、手首の脈を診て、頬に触れたら、ソンジンはきっと、ウンスを抱き寄せてしまいそう。
ヨンの意識が100年前まで飛んで来て、姿を変えて、ウンスを守っているのかと…⁈
ますます、眼が離せません❤︎
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＞chamiさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
大丈夫です。
信じて下さい。
大丈夫です。私の中では全て想定内です。
ただ、書きたいものを書くからと、
chamiさまや皆様を悲しくさせるのが
非常に、申し訳なく･･･
そんなときには、一服処がございます❤
あそこでほっこり❤❤
お待ちしております(*v.v)｡
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＞mayuさん
コメありがとうございます。
正直、これから最終話まで
切なさ右肩上がりだと思います･･･
そして、この謎が解けるまで
mayuさまの心の中に、ソンジンが棘みたいに
引っかかっていれば、嬉しいです。
分かった時に、ああ！と膝を打って頂けるよう
心して書き切る所存ｗ
でも、勘の良い方なら
あと2～3話で分かるのではないかなと踏んでおります。
分かるというより確証、ですね。
連休は秋、切なさで参ります･･･
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＞夢夢さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
そうです。
そうなのです。
ここをかいた時は、これほど愛おしく思っていると
私自身も知らず･･･（え
勝手に走り寄ったソンジンに、そうかー、と。
胸が痛くなりました。
週末は切なく･･･そして隠れ場所では
ひっそり春がｗｗ
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＞さらんさん
自分が青くなったり赤くなったりしながら
自分の中では一つの落とし所というか、こーだったら納得的…でもそーだったらあまりの切なさに自分が耐えられるか…という妄想&推理が一つあります( ノД`)100年あるし…
ああ、止まりません(／。＼)ｳｷｬ♪
ただ一つ、ファンとしてお伝えしたい事は、その妄想が正解なのかどうか？とかではなく、モヤモヤきゅんきゅんさせてもらえる時間が非常に愛しく…
ただたださらんさんに感謝なのです…❤”
連休中も切ない時間を頂ける楽しみ♪
一服させてもらいながら浸れるのかと思うと至福です(///ω///)♪
本当に有り難うございます！
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ソンジン、この後どうなるのかしら。。
でも、一歩一歩ヨンのもとに近づいてますね！
あと少し？ウンス頑張れー！
アメンバー今夜ですね！
嬉しいです♪
これで隅々で読めます！
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＞chamiさん
おはようございます❤コメありがとうございます。
書き切れているか、自分の筆力は、そこまで
分かって頂けるか。
それだけが、心配です。
chamiさまや皆様の心の中で、もう正解は
出ているはずだと思います。
皆様のコメを拝読する限り、そうとしか思えません。
でも、それを文で分かっていただけるか。
くうう。緊張します。
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＞サチさん
おはようございます❤コメありがとうございます。
一歩一歩、です。
そして、ソンジンとの別れも一歩一歩。
はい、今晩です。
スクショも。分かりにくかったりしませんか？
是非、お待ちしております❤
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又々失礼します。ウンスは、ウンスねぇ。呆れる程に