そうだ。
気が付かなければ良かったのだ。
気付いてしまったのは偏に、常に隊長と同じ目の高さで事を見ようとした慣行のせいだ。
同じものを見、同じように感じねば。
隊長の不在中、隊長の代理として迂達赤を護ろうと気負った俺の誤算がここに来て生じた。
隊長自身気づいておるのか、おらぬのか。
その眸がいつも医仙を追っていることを。
そうだ。
隊長は今まで常に、瞬時に判断を下してきた。考える間も惜しいというように。
その隊長が医仙が絡むと、惑いの中で、足を取られたように立ち止まる。
それを隊長に告げてどうなるでもない。
貝の如く口を閉ざし、俺はひたすら役目を遂行する。
隊長が医仙に苛立ち、怒鳴るならば得心もいく。
あれほど姦しい方、隊長の好む女人とは思えん。
ところが迂達赤隊長として役目に戻り、奇轍の屋敷から医仙を奪い返し、医仙が典医寺に戻られて以来。
隊長は時折医仙にぽつぽつと、話しかけるようになっている。
半死で皇宮を離れ、お二人でいらした間に、一体隊長に何があったというのだ。
あれほど流れる雲のように、吹く風のように囚われるものを持たなかった隊長。
それがトクマンに医仙の身辺を護らせ、時の許す限り、影で自身が動いている。
俺がテマン経由で預かった王様と隊長の大切な名簿を無くし、医仙がまたも奇轍の手に堕ちた時にも。
徳成府院君 奇轍。あいつはまさに、正気でない餓鬼だ。
権力に飽くことなく、王様への嫉妬に狂い、おまけにそれを王様の前で堂々と口にする。
元の奇皇后を後ろ盾に持つ自信か。
国中の金蔓を手中に収める余裕か。
隊長すら叶わぬほどの内功を使う傲慢さか。
王様の御前で、王様が求める名簿の者たちが許せぬと宣言した。
お前には人も力もやらぬ、黙って屈服しその座を明け渡せと、言外に脅迫しているのだ。
名簿の者たちは一刻に一人ずつ、”盗賊”にやられて、死んでいっていると。
その場にいる者たちは、その盗賊の頭が目の前のこの奇轍だと知っている。
それを聞いて隊長が御前を立ち去る。
元はといえば名簿を失くした己の軽率さのせいとはいえ、その場に座り込んで頭を抱えたくなる。
書筵で王様の力を誇示するために、医仙を矢面に立たせよう。
あの参理が喜色満面に言い募れば、俺達が控えている目前で王様を堂々と批判する。
医仙を天の国にお返しするのが、御自身の名を懸けた約束とは分かっているが。
どう考えても今まで俺の知る隊長とは違う。
居ぬ者と思えと黙って気配を消していたあの頃の隊長は、一体どこに行ったのだ。
医仙を守る。
抑えようにも抑えが利かず、考えの前に足が出る、気が付けば走っているその気持ち。
隊長とて、知らぬわけではあるまいに。
・・・いや、もしやあの隊長の事だ。こうした事も初めてなのだろうか。
それを恋慕と呼ぶのだと、俺よりも若い隊長に教えてやりたくなる。
医仙が危機に陥っただけでこれほど揺らぐのに。
医仙を天に返すとなった時、一体どうするのか。
手を放せるのか。それともまさか皇宮を出で、どこまでも護るのか。
もしくは一人凍った眸に戻り、また雲のように風のように留まらず、何処かで待つ終に向かって流れて行くのか。
隊長。
どうするのですか。

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チュンソク、もはや父的感情ではないですか!
ひゃ~!それほど、ヨンの変わりっぷりが驚いたんでしょう。
もう、とってもお父さんは心配性になっていますね( ´艸`)
この頃のチュンソクはあの八の字眉毛チュンソクさんですよね♪
うふ~、良いですね♥
また覗きにまいります♥| 壁 |д・)
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>ののさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
そうです!
もうこのころは、八の字眉の副隊長です。
最初の頃は、ヨンの漢気と共に成長し、
気付けば大きくなるヨンの成長を見守る立場にw
もう完全パパモードですね(爆
息子よ、よくぞここまで・・・(万感)みたいな?
今日最終話の予定でしたが
どうしてもまとまらず、明日朝に!
そして明日夜からは
もう我慢できないお話をUP予定です。
さすがに迂達赤も、初期の頃は書きつくした
感があるので・・・
暫くまた、脇に回って頂く所存。
宜しければまた明日朝に❤
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そうか、そうですね
明らかに今まで接した人との態度が違っていたら今まで7年一緒にいて培った基準が元の木阿弥です
チュンソクどうしますか
このまま変わっていく隊長を見守るのか…
でもチュンソクならばきっとわかるはずだと信じています
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>あみいさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
それはもう、足元が音を立てて崩れる衝撃w
でも、副隊長にとっては嬉しい誤算であることを祈りつつ。
それにしても、迂達赤初期はもう大概書き尽くした感
お腹いっぱいです。げぷ。
なので飛び石連休の週末は、もうデザートの
Sweets系に走ります(笑)
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チュンソク、凄くヨンの事を見ているのですね
たぶん、ヨン本人よりヨンの事を知っているのではないかしら?と思ってしまいました。
ウダルチ達の目線のお話、また違ったシンイが読めて、面白いです♪
さらんさん、ありがとうございます(*^.^*)
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さらん様、こんばんは❤︎
ヨンがウンスの事になると、何も見えなくなるほど執着していくのをプジャンは気に入らなかったのでしょうか?
隊長が、隊長で無くなることが怖かったのでしょうか?
応援してくれてはいなかったのでしょうか?
こののち、もちろん、プジャンもヨンとウンスが誰にも断ち切る事の出来ない絆で結ばれているのを充分に思い知らされ、支援してくれるのですが、誰よりもヨンが好きだった分、悩んだのでしょう。
変な意味ではなく、一種のヤキモチにも似た感情ですかね?
隊長を取られてしまうと…
それはそれで切ないですねぇ(p_-)
プジャンの語り口からわずかに見えてくる、ヨンの表情と声に浸りながら、次を心待ちにしています❤︎
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ウンスを「護る」為に死の淵から蘇ったヨン。
そして、感情を表さなかったヨンが、喜怒哀楽をウンスに依って齎され、生き生きとした目の輝きを放っている。
約束とは言え、ウンスを天界に帰した後は?
ましてや思慕の念を抱いてしまった後で、喪失感に耐えられるのか?
チュンソクの悩みは、いつまでも絶える事なく次から次へと出てきますね。
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>ハルさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
それはあるかもですねー
中間管理職・副隊長にとっては、部下とヨンの
橋渡しも立派なお役目w
お疲れさまでございます。
先週~今週で初期ウダルチは
書ききった感があるので・・・
今週末は一気に参ります。甘いお話。
(〃∇〃)❤
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>夢夢さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
ものすごく心配と、ものすごい意外性とを
感じてる気がします。
えーーそんな変わっちゃうんか!みたいなww
私はもうこのところ数週間、ヨンの話ばかりで
たまには違うのを、と思い
迂達赤メインに先週~今週とUP続けましたが
考えてみれば、皆様に全然逢って頂いていないではないですか!
自分脳内だけで、すごく満足していましたが
お話は先週末の甘いだけ。
我ながら吃驚&大慌て。今週末はお楽しみ頂ければ嬉しいのですが。
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>mayuさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
もうね、副隊長の胃と髪に心配集中です。
神経性胃炎&脱毛。絶対ストレス性です。
なのに、そんな副隊長に追い打ちをかけるSな私。
今週末は・・・甘くも激しくw
何だそりゃ≧(´▽`)≦