【 百日草 ~ 友を思う 】
七年前に初めて迂達赤に隊長がやって来た日。
今でもはっきりと鮮やかに覚えている。
当時自分は既に迂達赤の副隊長ではあった。
己が副隊長となった後も上官であるはずの隊長は、褒められる人格者でも、本領である武術の達人でもなかった。
当時の王の顔色ばかり伺い、一度も兵舎に顔を出さず、地位を利用して己の懐を潤し民から強奪紛いに金品を搾取する奴だった。
いや、仮にも上官であったからには「そんな方だった」とでも言うべきか。
最期には当時の王によって賜死の沙汰となった。
決して信頼も尊敬もしてはいなかったが、武人を賜死させるそのやり方にも俺は腹が立った。
首を刎ねるならまだしもこの国は国の為、王様の為戦場に出る俺達を一体何だと思っている。
一体何なのだ。迂達赤とは何のために在るのだ。
王様の側を守る最近衛としての誇りと言っても、誇りの拠り所となる王様がこうも頻繁に替わる。
守る方の竜顔すらまともに拝めず、お声さえ頂けぬうちに、新しい王を御守りせねばならんのか。
そんな疑問ばかりが胸に沸くある日。
新しく即位された王様の命を受けて、またも新しく迂達赤隊長が赴任してくるとの話を聞いた。
いきなり外から来る新しい隊長に対して不満がないと言えば嘘になる。
こうして新しい隊長を待っている間も他の兵は、何故俺が隊長に昇格せぬのか、口々に不満の声を上げる。
「もう副隊長がいるんだから、わざわざ外から新しい隊長が来ることはないでしょう」
「王命だ。何も知らずにあれこれ言うな」
トルベの不満げな唸り声に、俺は吐き捨てた。
俺だとて急な人事に不満がないわけではない。
しかし朝令暮改の政権の下、目につく役職など引き受けても面倒なだけだ。
幻、伝説とも謳われる赤月隊の最年少部隊長だったというその新しい隊長は、廿を二つほど超えた若さだという。
「赤月隊は皆内功の手練れで、新しい隊長という人は手から雷を放つと聞きました」
トクマンが不安そうに眉を顰めて言う。
「赤月隊など、俺に言わせれば相手の寝首を掻いて逃げるだけの奴らだろ」
トルベは頭に血が上っている様子だ。
口々にそう詰め寄られ、俺は黙って首を横に振る。
「とにかく黙っていろ」
高麗創国の功臣チェ・ジュオン殿の直系で、祖父君は忠烈王の師チェ・オン様。
父君はチェ・ウォンジク司憲糾正という文官名家。
武臣の乱の際唯一反乱武官が焼き討ちも殺戮も慎み、チェ家の屋敷だけは必ず避けよと命が出た。
むしろ率先して家屋敷とそのご家族を守ったという、高麗でも指折りの名門出身の隊長だ。
しかし。
「とにかくよく寝るらしいぞ」
ふとそんな噂をも思い出した。
「寝ると言っても普通じゃない。一度寝始めると用足しもせず飯も食わずに三日でも四日でも寝続ける。
そしてひとたび起きれば、寝た分食らうそうだ」
何だ、それは。
呆れて言葉も出なかったのを覚えている。

新章【百日草】編、開始です
チュンソク副隊長ぺんの皆様、お待たせしました。
楽しんで頂けた時はポチっと頂けたら嬉しいです。
今日のクリック ありがとうございます。
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は!また意識が飛んでおりました。職務に実直な感じがとてもするお話でございました。やはりいい人オーラも出まくりでチュンソク良い男だようo(*≧∇≦)ノ
ありがとうございます、チュンソクに会わせてくれて…。゚(゚´Д`゚)゚。
又覗きに来まぁすo(*≧∇≦)ノ!
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迂達赤短編集の前を描くのですね
隊員たちはここに来るまでの事情は知らない
この百日草は短編かしら、チュンソクさん私も大好きです
いつも出来た人だなって思っていました
上司の命令は絶対、しかし時には尊敬する上司を攻撃するよう部下に命令をしなければならない時もある
ストレスのたまる中間管理職の鑑チュンソク
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チュンソク♥
世が世なら、ウチワに名前つけて振りたい位スキ。(笑)
これから、upされる度に逢えると思うと、顔が自然とニヤケる。
愉しみウギュウギュ♡( ´艸`)
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身辺多忙は私事。
さらん嬢のお話を拝読するのは、私のとっておきの楽しみの一つなので、お気になさらないでね♪
今回の「百日草」のチュンソクの語り口の表現がいいですね! 新シリーズ、楽しみにしています♪
緊急のお伺いについては、さらん嬢のお考えを大切になさって…表現の自由はあり、また書き手・読み手それぞれの価値観も違います。どちらにも選択肢はあり、でも自分の価値観と違うからと言って、相手を批判する権利もないと思います。
最近、色々な方のブログで、色々な事があるようですが…純粋に楽しむ事が出来ないのかなぁ…って少し残念にも思います。
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結束が、どの様になされていくのか?
また、ヨンとプジャンの信頼関係も構築されていく訳ですが、真面目なプジャンと一見いい加減なヨン。
どんな絡みがあるのか、それも楽しみです(^ε^)♪
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チュンソク大好きです。ウダルチ君たくさん出して下さい。
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サラン様、こんばんは❤︎
ヨンの声と姿だけを追いかけ過ぎて、周りを正確に把握していない事に気づき、かなり落ち込みました。(p_-)
あんなに信義ファンを公言していたのに情けない‼︎(泣)
今日は、1話から門をくぐり、再勉強中にございます。
改めて、ヨンがカッコ良くて苦しくなりました。
ウンスも華やかなメイクが似合っていて、とってもキレイ❤︎
初回冒頭から、刀傷を受けた王妃媽媽に駆け寄り抱き締め、あの声で、王妃媽媽、大丈夫ですか?と囁いている…
雨の中、フードをかぶって俯きなが馬に乗った、ヨンのなんと美しい事❤︎
いつも、間が悪く、真面目なのにトボけている、チュンソクが大好きです‼︎
それでもヨンが、誰よりも信頼を寄せているのは、チュンソク副隊長ですから❤︎
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>あみいさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
今回【百日草】をUPしたら、コメタイトルや
本文にキターが並び、
皆様の渇望度の深さがしみじみと(爆
本当に本当に、お待たせいたしました。
中間管理職、チュンソク氏登場です。
迂達赤と並行・前後しながら、副隊長目線で。
ここで副隊長LOVEを爆発させる所存。
お楽しみ頂けると嬉しいです❤
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>üKöさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
うちわですか!リアルすぎます!!
UPされるたびに、あの声が浮かびますように。
豪華に隊長&副隊長サラウンドで参ります❤
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>まあもさん
こんばんは❤
コメ&貴重なご意見ありがとうございます。
チュンソク氏、語ります。
中編で済ませようと思って書き始めましたが
留まるところを知らず。
鬱屈、しているようです。
そうなのか・・・
私は読み手様に本当に恵まれ、今まで
嫌なご意見も、耳に痛い批判もないので
逆に皆様にすごく気を使って頂いていると
申し訳なく、ありがたく思うばかりなのですが
・・・
あ、たまに??なコメントはあります。
お話の中身に一切触れない、アフィからのコメ。
申し訳ないですが、お話に関する言葉が
一言もないものだけは、バッサリ削除しています。
何をどう、何処からどの角度で書いても
愛するばかりの信義二次。
なので、私のお話のせいで皆様の心の中の
信義worldが、崩れない事だけを祈りつつ。
迂達赤も百日草も、楽しんで頂けると嬉しいです❤
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>mayuさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
心が動いていく様子は、迂達赤で書いてきましたが
副隊長だけは敢えてここまで外してきました。
迂達赤では狂言回しに徹していた副隊長が、
どう動いていくか、
語り部として、あの時何を考えていたか。
絡みますよー今回は!
隊長&副隊長の豪華サラウンドが、頭に響く状態で
いろいろ楽しんでおります❤
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>ちよさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
今回も、飽きるほど出てきます。迂達赤。
何しろ副隊長が語り部ですので(笑)
楽しんで頂けると嬉しいです❤
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>夢夢さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
いよいよです❤
分かります!ウンスオンニの華やかメイクは
ほぼ一話でしか見られませんから、
占いに行った時の鮮やかリップとか
華やかな整形外科医をイメージしてるなーと。
そして、副隊長の間の悪さは
一話目で、王妃媽媽に王様の伝言を届けるときにも
それ今言わされちゃうんだ・・・役目とはいえ
ちょっとお気の毒・・・としみじみ。
そんな星の下に生まれた副隊長、どうなることか。
間が悪すぎて、隊長の逆鱗に触れぬようにのみ
祈りつつ
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>ののさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
のの様、来ましたよ副隊長が!
隊長&副隊長の豪華2ショットの
ステレオサラウンドで声が聞こえるよう
命を懸け、書きまくる所存です。
私もまた伺います❤ヾ(@°▽°@)ノ❤
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待っていたんです、副隊長のお話を!!控えめながらいつも隊長をサポートして、しっかりNo.2に徹してる。そして苦労させられる、みたいな。しかも、いい人感がスッゴク出てますよね?ドラマの彼の困り顏が好きです!
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>ノエルさん
おはようございます❤コメありがとうございます
チュンソク隊長(当時は副隊長)
もう本編でもうちでも、気の毒なほど神経をすり減らし、
医仙に胃薬と増毛財を作って頂かないと・・・
良い人でしょう、間違いないです!
これからも【或日、迂達赤】で、いろいろ書いていく予定です❤