【 曼珠沙華 ～ 再会 】
群れ咲き揺れる秋の赤い花。
心の中のあの面影を照らす。
忘れられないあの微笑み、明るい眼差しを。
*******
「まだいらっしゃらぬか」
王妃媽媽が先程より同じ問いを繰り返される。
その問いに畏まり答える。
「申し訳ございません。まだ伝達は届かず」
「お帰りの道中に何か起きたのではないのか」
「落馬の後は、無事に出立されたとの由。
その後は何事の報も入ってきておりません」
「されど遅すぎはしないか。王様もご心痛である」
そう言い募る王妃媽媽の御手を、王様が優しくあやす様に軽く握られる。
「王妃、落ち着かれよ。大護軍がついておるゆえ」
「申し訳ございません･･･」
王妃媽媽はその手をそっと握り返す。
私は頭を下げたまま、胸の内で舌打ちをする。全くヨンときたら何をしておるか。
王妃媽媽にこれほどのご心配をおかけするとは、天下の大護軍が聞いて呆れるわ。
医仙のお体に配慮しておるのだろうが、禁軍が合流したのだ。
己だけでも早馬で駆けてくれば良いものを、その機転も利かぬとは。
まあ今のあ奴が医仙から離れるなど、期待しても無駄骨か。
医仙とヨンとの合流は、数日前に手裏房のマンボより伝達されていた。
マンボからの急な呼び出しで手裏房の隠れ家である酒楼に呼び出され
「ちょっとあんた、聞いたかい」
といきなり切り出された時は、いったい何事かと思ったが。
「天女が戻って来たってさ！ヨンアから伝書鳩が来た時にゃ、さすがのあたしも目を疑っちまったよ」
そう言いながらマンボが懐から小さく畳んだ文を、ぽいと卓の上に放る。
どれ、と指先で開けば、いかにも簡素。
帰京叶う、援護を求むと、味も素気もない文字だけが並んでいる。
「これだけで医仙が戻って来たと思うか。マンボ」
そう尋ねるとマンボが笑って
「あんた、焼きが回ったのかい。それともわざと恍けてるのかい。
役目で国境にいるヨンアが手裏房の助けが必要なんて、天女の事以外にあったら、こっちが知りたいね」
と、至極まともな事を言う。
それはそうだが。
まさか今になってあの医仙が、ここにお戻りになるとは。
この四年の間、どのようにヨンに医仙を忘れさせるかに少々気を砕きすぎたようだ。
私は己の判断を少しばかり苦々しく思い返した。
ああ、あ奴の事だ。
あの仏頂面で必死に堪えたに違いないが、今頃どれだけ喜んでおるやら。
許されるなら飛び上がっておろう。
その直後。今度は王妃媽媽より直々に内密に呼びだされた時は、心の準備ができていた。
*****
「チェ尚宮」
媽媽がいつになく固い声で私を呼んだ時。
「はい」
とお答えしながら、私は頭を下げた。
「聞き及んでおるか･･･あの方のことを」
媽媽もその名を御口にされるには、少々躊躇っておられる。
私は頷き、静かにつなげた。
「お戻りになったそうです」
お伝えすると息を呑み、暫くののちに
「･･･まことの事であったか。まことに、まことだな。ようやくだな？」
そうおっしゃる御声が、少し震えていらっしゃる。
私がそっと目を上げると媽媽の御目に涙が見えた気がして、私は作法通り目を逸らし頭を下げた。
周囲にこれほど心配をかけおって。
全く早く戻ってくれば良いものを。
最後には医仙が馬から落ちたなど、肝の冷えるおまけつき。
医仙らしいとも、ヨンらしくないとも思えるが。
いずれにしろ役目に支障を来さぬ限り、しばし目を瞑ってやるしかないな。
チェ尚宮が苦笑いをそっと浮かべた時、筆頭内官のドチが喜色満面で飛び込んで来ると
「王様、王妃媽媽。大護軍と禁軍一行が戻りましてございます！」
高らかに、抑えきれぬ嬉しさ溢れる声音でそう告げた。
帰京編最終話【曼珠沙華】開始です。
楽しんで頂けた時はポチっと頂けたら嬉しいです。
今日のクリック ありがとうございます。
SECRET: 0
PASS:
キャア～！続きを待っておりました～(*^^*)♪
王妃様に私ももらい泣きしちゃいました(>.<)uu-~
続きが楽しみでなりません！
SECRET: 0
PASS:
まかさ今日読めるとは思わなかったです！とても嬉しいです！皆がヨンとｳﾝｽの帰りを待ってたのを知って胸が熱くなりました！早く続きが読みたいです。今、ﾐﾝﾎ君のlive帰りです。めっちゃサイコーでしたぁ！
SECRET: 0
PASS:
皆で二人をこんな風に待ってたと思うとなんだかとっても嬉しい～！
そしてきっとヨンの頭に叔母様の鉄拳がヒットするフラグが立った気がしたのは私だけですか？(*´σｰ｀)ｴﾍﾍ
また覗きに参りますね♪(≧▽≦)
SECRET: 0
PASS:
向日葵の続きですね！あー、嬉しい!!待っていました。やっとやっと二人が会話している場面が読めるのですね。
曼珠沙華編、非常に楽しみです♪
SECRET: 0
PASS:
いよいよ、戻ってきましたね～
曼珠沙華、楽しみにしています(^^)
SECRET: 0
PASS:
愈々戻って来ましたね。
奇皇后の手の者に襲われた事、まだ練絡行ってなかったんだ。
皆が、一縷の望みを抱いて、ウンスを待っていてくれたのが良く分かります。
さあ、どんな対面になるのかしら？
そして、ウンスは、１００年前の師の医術を、どの様に生かしていくのかも楽しみです。
SECRET: 0
PASS:
朝 吾亦紅最終回でもう次のお話を
読ませて頂けるなんて♬
曼珠沙華…いいですね
いよいよあの２人が開京に帰ってくるのですね(*^o^*)
嬉しいですね。２人が揃っているなんて！感慨深いですね～
私もドチと共に待っております←満面の笑み(*'▽'*)
SECRET: 0
PASS:
さらん様、こんばんは❤︎
やっと、開京まで帰り着きましたね‼︎
これから、どんな事がふたりを待ち受けているのかと期待でワクワクです❤︎
外では、今までより更に鬼に。
そして、ウンスとふたりの時には、この上なく甘やかすヨンを妄想しつつ……（≧∇≦）
台風が近づいています。
また、雷光が見れるでしょうか？
こちらのポチ画像も大好き‼︎
「聴きたい事が有り過ぎて…」
胸が痛くなるほど、切ないヨン❤︎
SECRET: 0
PASS:
無事帰京‥良かった
何だかバタバタしそうですが
少しは落ち着けるのでしょうか？
ウンスがヨンの妻になる日は近いですか？
ヨンが開京に戻ったら言いたい事があると言ってましたよね‥早く聞きたいです( *´艸｀)
SECRET: 0
PASS:
ついに始まりましたね 皆との再会の時
チェ尚宮 フフフ好きです
今 相続者たち見てますが ウンサンオンマなのに
どうしてもチェ尚宮が頭から離れません(*^_^*)
SECRET: 0
PASS:
＞kumiさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
いよいよです。
ここまでのお話の全ては、ここに繋げるために
書いたと言っても過言ではなしо(ж＞▽＜)ｙ ☆
やっとだーーと、ますは一安心。
ここさえ終われば、大きな山場が終わります。
もう少し、お付き合いをお願いします❤
SECRET: 0
PASS:
早くその先が読みたい！楽しみです
SECRET: 0
PASS:
これからのヨンとウンスとっても楽しみです。
早くヨンの口からずっと言いたかったこと…聞いてみたいな♪
SECRET: 0
PASS:
＞Mayクミさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
いよいよ、帰って参りました。
いやあ、２ショット書くのが久々で
何だか若干、離れ気味な距離感がｗｗ
むしろ、帰り道の方が近かったかも？あれ？
ミノ氏のライブ、お疲れ様でした❤
良かったのですね、良いなぁ(〃∇〃)
SECRET: 0
PASS:
＞ののさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
やっと、やっとの帰還です。
ここまでが長すぎて疲れました（;´▽｀A“
（お前が疲れるなと突っ込まれそうですが）
今日はミノ氏のライブもありーの、
自分の中では過去話一息つきーので
なんだかHAPPY気分満開です❤
さすがにコモ、そこまで鬼ではないですが
バシッとひとことはあるでしょう、ね･･･
耐えろヨン！
SECRET: 0
PASS:
＞あみいさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
本当は、しばらくお休みしようかと
思っていたのです。
連休明けから、仕事が年末に向けて
出張やら何やらで忙しくなるので･･･
でも、とりあえずキリよく、開京まで
帰還してから、と思いまして❤
これが終わったら、少しお休みに入るかもです❤
（冬眠ですねー）
それまでは、ますは帰京編最終話、
お楽しみ頂ければ嬉しいです(●´ω｀●)ゞ
SECRET: 0
PASS:
＞ルカさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
はいっ！帰って参りました(〃∇〃)
長い道のりでしたーー❤❤
この後、幸せになって頂かねば困ります。
まあ私の場合ドSですので、そう簡単には参りませんが。ふ。
SECRET: 0
PASS:
＞mayuさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
落馬したと知っているので、おそらく知っているとは思いますが
ヨンもアンジェも証拠が手に入りませんでしたから･･･
何しろ王様＆王妃媽媽は【秋菊】で
コモは【チェ尚宮の憂鬱】で、あれほど二人を
心配しておりました。
テマナに至っては【雪割草】で叫んでおりました。
それを知って頂くために、今までの時間を
費やしていたようなものですｗ
皆の想いを背に、ヨン、一世一代の激白が。
さあ、どうなりますか(〃∇〃)
SECRET: 0
PASS:
＞わいやーさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
そうなのです。
本当は少しお休みしつつ、一服処をつらつらと、と
思ったりもしたのですが･･･
連休明けから年末にかけ、出張やら何やら、仕事が鬼のように
詰まりまくっていることが日々発覚し
ここで休んだら、もう無理。年内に絶対
行きたいところまでいけない！と分かり(;^_^A
まずは、帰京編最終話、お付き合い頂ければ幸いです❤
SECRET: 0
PASS:
＞夢夢さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
はい❤やっと、やっとです。
大変お待たせいたしました。
落馬したウンスも、元気に帰還о(ж＞▽＜)ｙ ☆
ポチ画像の意味は、最終話で分かると思います(*v.v)｡
これが終わったら、暫くの間今のペースでのUPが難しそうですので
今のうちに、お楽しみ頂けると嬉しいです❤
SECRET: 0
PASS:
＞えみりんさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
まず、暫くは落ち着く予定です、ヨンはｗ
ウンスが輿入れする日は、遠いですｗ
いえ、遠いまでは言いませぬが、近くはないです。
哀れ！ヨン。・ﾟﾟ･(≧д≦)･ﾟﾟ･｡
ただし、一世一代の告白、どえらい事を
ぶちかましますがｗｗ
SECRET: 0
PASS:
＞如月さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
アハハ、分かります(*^▽^*)
特にミノ氏がいますからねｗｗ
私の場合は、暫くの間、コモがパソンに見えて
仕方ありませんでしたから･･･
SECRET: 0
PASS:
＞romi622さん
こんばんは❤コメありがとうございます。
はい、読んで頂けるよう頑張りますｗ
よろしければ また覗いてみて下さい♪
SECRET: 0
PASS:
＞やあさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
そうですね、私も早く、そこまではいきたいです。
連休明けから年末に向け、仕事が鬼のように詰まっており
アメンバー申請も無理ですし
今までのようなペースでの更新も無理なので
早めにここだけは、どうにか切り抜けたいと
祈る気持ちで、最終調整に入っております。
よろしければ また覗いてみて下さい♪
SECRET: 0
PASS:
帰京編最終話・曼珠沙華
嬉しいです。楽しみです。
ふたり別々の時を過ごしていたところから、
ふたり一緒にいるところの話になっただけで、
もう幸せ♡
SECRET: 0
PASS:
＞hitominさん
こんばんは❤コメありがとうございます。
ああ、そう言って頂けると私も幸せです❤
まあ、これからまだまだ波乱はありますがｗ
仕方ないですね、お騒がせカポーですから(ﾟｰﾟ;
よろしければ また覗いてみて下さい♪
SECRET: 0
PASS:
これからの二人がまた楽しみです(^o^)
ウフフ❤
SECRET: 0
PASS:
お仕事忙しくなるようでしたら、コメ返いいですよ。無理しないでね。更新減っても、また今までのお話を読み返して楽しめますし…。更新あれば、やったあですし…。さらんさんの都合のいいようにね。といいつつ、ここからを、すんごく楽しみにしています。
SECRET: 0
PASS:
カタカナのサチ改めてsachiに、変えました。
今後共宜しくお願いします。
さて、始まりましたぁー♡
これから、チュナや王妃ママとのやり取りも見れるのかなー♪
楽しみが増えました★
SECRET: 0
PASS:
あぁ！
ついに帰京ですね！
まだまだソンジンへの
心残りがたっぷりな私ですが 笑
でも目出度い！
落馬したからまだ動き回るのは
無理かしらウンス。
ヨンの甘々っぷり見れるのかしら
いっぱい楽しみです！（≧∇≦）
SECRET: 0
PASS:
ついに…
やっと…
始まりましたね。
帰郷編最終話。
再開から開京までの道程もハラハラドキドキ(／▽＼)♪
もっと馬鹿っプルでもいいのに～～(^w^)
って、思えるほど二人きりの描写が控え目で、蔓珠沙華ではラブラブで泣きたくなるくらい幸せな二人に会いたいなぁ
スマホを見ながらニヤニヤして気持ち悪い～～
と、家族に言われてもいいので、できる限り艱難辛苦は控え目にお願い致しまする～～(*≧∀≦*)
さらんさんの筆力で描かれる二人の幸せの形は一体どんな世界なんでしょう。
読みながら泣いてしまうかも…
年末までとても忙しいとのこと。
どうぞお身体に気を付けて執筆を続けてください。
SECRET: 0
PASS:
＞モモさん
こんにちは❤コメありがとうございます。
楽しみにして頂けると嬉しいですヾ(＠°▽°＠)ﾉ
よろしければ また覗いてみて下さい♪
SECRET: 0
PASS:
＞チェヨン1さん
こんにちは❤コメありがとうございます。
ううう、お優しいお言葉ありがとうございます
。・ﾟﾟ･(≧д≦)･ﾟﾟ･｡
さすがに出張中は、PC2台持ちは無理かなー。
タブレットは苦手なので、スマホにお話を
残しておくか･･･など、いろいろ考えつつ。
でも、書きたい気はするのです。
アメリカで信義（爆
決してキム・タンでなく、チェ・ヨンを(ﾟｰﾟ;
楽しみにして頂けると嬉しいです❤
まずは三連休中、進めるところまで
あじゃあじゃです！
SECRET: 0
PASS:
＞sachiさん
こんにちは❤コメありがとうございます。
はい、見て頂けますよー❤
楽しんで頂ければ嬉しいです(●´ω｀●)ゞ
SECRET: 0
PASS:
＞みきみきさん
こんにちは❤コメありがとうございます。
ソンジン、ううう、そうなのですね。
私の中でも、まさかこんなにみきみきさまや
皆様に受け入れて頂けると思わず、
さらーっと出て来た漢を書いたら･･･っっ
いやしかし、奴がここまで受け入れてもらえるのは
きっと物言いと態度が
ヨンに酷似しているからに違いありませぬ！
いつの日か、ソンジンのお話
いろいろ書けたら嬉しいですが･･･
まずは、こちらで。
相変わらず、眉間しわよせヨンを。
SECRET: 0
PASS:
＞mamachanさん
こんにちは❤コメありがとうございます。
年末まで出張がとても多そうです（;´▽｀A“
いろいろな場所に行けるのは嬉しいのですが
さすがに仕事用PCはセキュリティ上
インターネット環境がどえらくキツく
アメブロやれる環境ではないので、
タブレットとの2台持ちか、マイノート持参か
いろいろ考え中で(;^_^A
スマホからのUPは文字制限もあるし･･･
艱難辛苦･･･思い切り考えている私･･･ううぅ
ラブラブ度は低いですね～、
私も思いっきり書きたいのですが
うちのヨンが、結婚前のウンスに、手を出すと
どうしても思えず･･･ｗｗ
こちらがイラっとするほど「歩みが遅くて」
(゜д゜；)
SECRET: 0
PASS:
又々失礼します。この物語は、初めて読む様な感じです。タイトルに、見覚えがないので 。そして私事でごめんなさい。アメーバに、なったのが。遅かった。スマホに、なってからでしたので 。そして、この時間に、送信する私を、許して下さいね。