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春花摘・終章 | 桜伐る馬鹿 梅伐らぬ馬鹿・瑩

    その高い悲鳴を聞いた瞬間に、足が勝手に動いた。 俺より余程扉に近い場所にいながら、出足が一拍遅れたトクマンを突き飛ばすように典医寺へ駆け込む。 先刻まで窓外を眺めていた、同じ場所に座り込んだ医…