CATEGORY ■不倶戴天【長編】

不倶戴天 | 廿弐(終)

    「チェ・ヨン、参りました」 康安殿の私室扉前、この声に穏やかな御声がすぐに戻る。 「入りなさい」 いつもの如く内官の手で開かれる扉。 其処をくぐれば階の上、執務机の前の穏やかな笑み。 窓の外、…