CATEGORY ■不倶戴天【長編】

不倶戴天 | 拾壱

    月明りを頼りに夜を駆け、早朝に辿り着いた水州の入口。 減紫の暁の空の凍った月が、まだ雪を照らしている。 「どの寺だ」 「ヨンア」 チュホンの吐く白い息の中、そのまま寺へと向かおうとする俺を引き…