CATEGORY ■雲雨巫山【長編】

雲雨巫山 | 伍

    「ヨンア、寝た?」 懐かしい部屋に並べて延べた床の上、胸に寄り添うこの方の細い肩へ腕を廻していた。 廻した腕の先、指を掠める亜麻色の髪はいつもと違う寝屋の薄闇の中、見慣れぬ色に光っている。 「…