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碇草 | 弐

    おかしい。 異変に気付いたのはタウンと共に厨に並び夕餉の支度をする、あの方の後姿を眺めているときだった。 熱が出たかと最初は思った。やけに急に熱を帯びた体に。 あの方の気配を脇に、深く長く呼吸…