CATEGORY ■寿ぎ【長編】

寿ぎ | 3

    鉄原までの懐かしい道中。早馬を駆る鞍からでは、碌々味わう事すら叶わぬ。 しかし今は馬の脚を止め、降りて思い出に浸る時でもない。 心は焦る。焦ったところで脚が早まるわけではないものを。 却って馬…