CATEGORY ■威風堂々【長編】

威風堂々 | 62

    「・・・イムジャ」 夜の典医寺の門を抜け、半歩前で忍び足になったこの方へ静かに声を掛ける。 鍛錬も受けていない方が歩調を遅くしただけだ。足音も気配も消えてはおらん。 すっかり暗い庭の中、その軽…