CATEGORY ■威風堂々【長編】

威風堂々 | 57

    「て、大護軍」 兵舎の私室、扉を開けたテマンが遠慮がちに覗き込む。 「康安殿から呼び出しが」 婚儀の前日でも俺を遠巻きにしているのを気に病んでいるか。 気まずそうに小さな声で、奴が俺に言った。…