2015.11.26 ■威風堂々【長編】 さらん 威風堂々 | 37 「イムジャ」 役目の退けた夕刻は、瞬く間に宵の深さを増す。 兵舎を出る時薄明るかった足許が、典医寺に着く頃には覚束なくなる程に。 外から声を掛け私室の扉を開くと、内のあの方が振り返る。 「ヨンア」 此方に向… 続きを読む