CATEGORY ■比翼連理【長編】

比翼連理 | 9

    迂達赤兵舎から引き返したチェ尚宮は坤成殿の王妃の私室の扉前、中より風に乗って微かに漏れる静かな会話に耳を傾けた。 少なくとも医仙は、婚儀を成すおつもりはあるらしい。 言の葉の端々からそう判じ胸…