CATEGORY ■比翼連理【長編】

比翼連理 | 55

    「おはよう!」 窓外から冷えた礼成江の風が吹き抜ける。 まだ夏の陽に灼けていない乾いた朝の風。 その涼風が運ぶ、刻を惜しみ啼く蝉の声。 何も変わらない礼成江の夏の朝だとヨンは宿窓の外を見る。 …