CATEGORY ■比翼連理【長編】

比翼連理 | 52

    「もう良かろう」 この指の誓いの輪を外すまでもない。 己が左手の親指の先、薬指の輪を擦って確かめつつ、チェ・ヨンは偶然を装い市の大路を一本裏へ入る。 饅頭屋を出で、宿へ戻るその途中。 ウンスは…