CATEGORY ■比翼連理【長編】

比翼連理 | 42

    「碧瀾渡に参ります」 昼の巳刻。 典医寺と康安殿の中間、東屋で向かい合うチェ・ヨンの突然の声にウンスは目を丸くした。 夏の東屋には周囲の木々を渡る風と、蝉の声以外の音はない。 掛かった橋の下、…