CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 6

    泣かせた事に胸が痛くて、腕を伸ばせぬのは臆病ゆえだ。 久々に共に過ごす宅の居間。 開いた扉の向こうの庭の木々は、最後の記憶より鮮やかに新緑を茂らせている。 その縁側であなたを膝に、座りたくても…