CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 65

    地下牢の壁、油灯に照らされながら水滴が落ちる。 灯に光る水の流れ途は蛞蝓の這い跡のように、てらてらと壁に線を引いている。 ぴたん、ぴたんと音が響く。 その音を耳に、手段を講じる。 どうにかして…