CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 62

    「王様」 康安殿の私室に静かに入って来たドチが扉脇から、執務机の前で卓に向かい腰掛ける寡人を呼んだ。 その声に執務机に広げた、何度読み返したか知れぬ大護軍の文から目を上げる。 「大護軍御一行様…