CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 33

    「静かなのね」 夜の天幕の中、小さな声が囁く。 これほどの兵が移動する、まして明日は双城総管府。 いつもの移動時に比べれば天幕外の兵たちの気配が濃い。 「いえ、今宵は少々騒がしい」 そう伝える…