CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 26

    「王様」 既に戌の刻近く。 灯篭の揺れる康安殿の回廊、扉に向かいお声を掛ける。 「チェ・ヨン、参りました」 「入りなさい」 即座に返るお声に、内官が目の前の扉を開く。 「失礼致します」 王様は…