2015.05.22 ■紅蓮・勢【長編】 さらん 紅蓮・勢 | 24 「ウンスヤ」 申の刻。初夏の陽は西へと傾き、それでも金紅の空はまだ十分に明るい。 約束通り典医寺の診察室の扉から声を掛けた俺に、部屋の中あの方は振り向いた。 「お疲れさま」 笑んで近付き俺の頬… 続きを読む