CATEGORY ■紅蓮・勢【長編】

紅蓮・勢 | 22

    典医寺のあの方の私室を出る。 扉前で一晩中守りに就いたトクマンが、赤い目をして頭を下げた。 「おはようございます!」 朝焼けの中の直立不動の背。 不自然なほどに此方に目を向けず、叫ぶように言う…