CATEGORY ■槍水仙【長編】

槍水仙 | 6

    「茶を飲みに、いらっしゃいませんか」 「行かん」 足を止めずにすれ違いざま答える。 何故この侍医は急に声を掛ける気になったのだ。 皇宮ですれ違うたび必ず問うてくる。 秋も冬も、そして春が来ても…