CATEGORY ■珠の匣【長編】

一服処 | 珠の匣・11(終)

    「大護軍、お帰りなさい」 宅の門をくぐると、テマンが真直ぐに駆け寄った。 「変わりないか」 「はい」 「あの方は」 「静かでした。庭にも出ず」 「そうか」 俺はもう一度、葉を落とした庭の立木の…