CATEGORY ■都忘れ 【長編】

都忘れ | 19

    三日目の朝。 息が落ち着いてきた。 浅く短かった呼吸が、少しずつ深く長くなる。 「キム侍医」 侍医がこの方の様子を見、俺に目を移して頷く。 「もう大丈夫です。じきに目を覚まします」 ようやくこ…