CATEGORY ■都忘れ 【長編】

都忘れ | 12

    兵舎を出るため階を降りる。 高い明り取りの窓から差し込む光の中。 普段は騒がしい兵舎の階下の吹抜けに一人、チュンソクがいた。 無人だとばかり思っていた。 あのチェ尚宮の人払いの中も残るとは、な…