CATEGORY ■迷迭香 【長編】

迷迭香 | 6

    日が中空を通り、少し西に傾きかけた頃。 河原に座り込んでいたヒドが、その腕を目の上からずらした。 「やっと来たか」 ウンスはその声で弾かれたように、薬湯を煎じていた焚火の前で腰を上げる。 山道…