2014.08.18 ■迷迭香 【長編】 さらん 迷迭香 | 6 日が中空を通り、少し西に傾きかけた頃。 河原に座り込んでいたヒドが、その腕を目の上からずらした。 「やっと来たか」 ウンスはその声で弾かれたように、薬湯を煎じていた焚火の前で腰を上げる。 山道… 続きを読む