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2016 再開祭 | 紙婚式・拾柒

    「あのね」 床に置いた文の折り目をなぞりつつ、小さな声が雨雫のよう降って来る。 「これね」 「・・・はい」 先刻までの饒舌さが嘘のようだ。何をこんなに躊躇っているのか。 声の続きを待つ俺の前、…