CATEGORY 胸の蝶

2016再開祭 | 胸の蝶・玖

    東屋の軒から滴る霤が、柱に揺れる油灯の橙を映す。 忘れた頃にぱたりと不規則に落ちるそれを目で追う俺の向う、ヨンは頬杖の耳を欹て女人の声を確かめている。 しかし女たちにはそんな事などどうでも良い…