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2016再開祭 | 胸の蝶・柒

    「ヒド様」 既に悔いていた。この女は喧し過ぎる。 開京への帰途の山道、その口は一時も結ばれる事がない。 止む事もなく烈しくもならぬ煙雨の中、道の彼方此方を見回して女は一本の木の下へ駆け寄った。…