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2016再開祭 | 胸の蝶・拾弐

    「なあ、ヒドヒョン」 止まぬ雨に退屈そうな顔で弓の弦を張り直しつつ、東屋の椅子の一つに陣取ったシウルが厨の奥を覗き込む。 「俺達が留守の間に何があったのさ」 「何もない」 「じゃあ、あの子は誰…