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2016 再開祭 | 逐電・序章

    「門を開けろ」 篝火の一つもない寺は、既に深閑と静まり返っている。 暮れの尼寺、山門前を塞ぐ僧衣の比丘尼に向かって頭を下げる。 「頼む、通してくれ」 「大護軍さま」 老いた比丘尼は緩やかな仕草…