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2016 再開祭 | 夢見路・肆

    中天にあるはずの陽は、重い雲に隠れてすっかり翳っている。 熱だけが残る湿った梅雨空の許、碧瀾渡の市を足早に抜けながら医仙は大きく息をついた。 「蒸し暑いわね」 「ええ」 いつもなら風に靡く紅い…