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2016 再開祭 | 春夜喜雨・廿壱

    庵の中、小卓の上の油灯が窓からの風に揺れている。 その光の中で静かに話す声には、此方を頷かせる説得力がある。 それで判った。確かにあの時侍医は咄嗟に、左掌を差し出した。 この方はそれを確かめた…