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2016 再開祭 | 春夜喜雨・弐

    円い胡窓の戸を引いて雨降りの昏い窓外を眺めると、いつもは明るい目が翳る。 ふうと不安げな息を吐き戸を閉めると、その横顔が俺を振り返る。 「どうしても、帰らなくては駄目なのか」 小さく尋ねる声に…