CATEGORY 嘉禎

2016 再開祭 | 嘉禎・23

    馬車を下りたこの方をもう一度抱き上げ、宿屋の扉を抜ける。 指先にあの酒処の女人に譲り受けた赤い袋を下げたまま。 初めて踏み入った夕刻のざわめきが嘘のように静まり返った、人の気配もまばらな広間。…