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2014-15 リクエスト | 曠日・7

    「ヒド殿でいらっしゃいますか」 日暮れ。 茜色の空を背景に戸口に立った人影は、疲れの滲む声音で小さく静かに問うた。 その女の声に、俺は黙って目を遣った。 手裏房を離れ、すでに五つ月六月。 北の…