CATEGORY ■雲雨巫山【長編】

雲雨巫山 | 拾柒

    「テヒさん」 声の響く本堂の中、背を伸ばしこの方は言い放つ。 「実は思い出話のために残ってもらったんじゃないんです」 「では、何の為でしょう」 「もうこの人を苦しめないで。これ以上は私が許さな…