CATEGORY ■都忘れ 【長編】

都忘れ | 14

    迂達赤兵舎を出た俺は、そのまま王様に謁見に伺った。 康安殿までの回廊を、身を切る冷たい風が吹き抜ける。 その風の中、確かに近づく雪の匂いを嗅ぐ。 「某の間違いでした」 人払いをして下さった王様…