CATEGORY ■吾亦紅 【長編】

吾亦紅 | 11

    「ウンスは知っておるのか」 薬草摘みの帰り道、そろそろ春の日が中天の真上にかかる頃。 ソンジンが私に聞いた。 「何をよ?」 突然の問いの意味が分からず訊き返す。 「先生の事を」 私は正直に首を…